:ラストサムライ

見終わったときの感想は「くやしい」。日本人であるのに、日本の武士の文化、侍の文化をこういう形で知るということにくやしい。そして、知らしめたのが、日本人以外の人の監督作品であるということ。日本はこんなにすばらしい文化を過去に持っていたんだと言う思いがすごく強くなった。トムクルーズが日本文化に打ち解けていったのは、渡辺謙の英語での会話がきっかけであったとしても、日々の生活であることに疑いはない。「敬う」を基本とした文化、人の暖かさ、そして、剣術の修行。言葉にならない一つ一つの演技が大きな「発見」をさせてくれる映画だと思う。それは、集団のあり方を問い、一つの答えを提示するというまでに至り、上に立つものの心得、上に仕えるものの心得を非常に噛み砕いた形で見せてくれる。細かい部分はどうであれ、アメリカ人がサムライをこのように見ていたのかと思うと「くやしい」の一言。
そして、北野武が先にこの世界を描けなかったことが残念に思う。